わかる、わかるよ

色んな人に

「わかる、わかるよ、
　その気持ちは痛いほどわかるよ」

と言われた。

それを言われれば言われるほど

わたしは絶対に、他人に、
たとえ「わかる」と思ったとしても、簡単に

「わかるよ」

なんて言わないと決めた。

わたしのことをとても気にかけてくれてることにも、
必死で励まそうとしてくれてることにも、
もちろん感謝はしつくせないほどしているけれど
その人の感情は絶対その人じゃなきゃわからないもの。

わたしじゃなきゃわたしの感情はわからない。

わたしだって今後わたしと同じ経験をした人が現れたとしても
「そのつらさ、わかるよ」って思うかも知れないけど、
絶対に「わかるよ」って言わないと決めた。

だって絶対にわかってないもん。
その人じゃなきゃわからんって。

誰かが
「自分も似たような経験したことあるから
　そのつらさわかるよ」
と言ってくれても
もしかしたらわたしのつらさはその人の想像している1/2かもそれないし
それ以上かも知れない。
そしてそのつらいと思うポイントが違うかも知れない。

　
そして最近思うのはわたしのつらさの程度は
同じことを経験した人がいたとして、
その人が感じるそれより少ないかもってこと。

色んなこと考えて考えて再認識したのは
わたしはやっぱり冷たい人間なのかも知れないということ。

だって赤ちゃんの命より自分の気持ちを優先して取ってしまったんだから。
誰に甘いとかじゃなく、あの彼に甘すぎたんじゃなく、
自分に一番甘かったし、今もまだ、甘い。