あの日のこと

2006年4月11日 恋愛
わたしは運命とか永遠の愛だとか変わらないものなんてないとおもっている。

わたし、今でも思い出せる、あの日の夜のこと。
4年前の2月のあの日のこと。

サユに誘われて渋々行ったあのクラブで
当時慣れなかったトランスに余りノレずに居て
しかもピンヒールなんか履いていったからダルくてボーっと突っ立てた。

そのクラブで過ごすサユとの時間はとても退屈で
クラブの中を観察してたら
サユの肩越しにとってもわたしのタイプの男の子を見つけた。

それから惹きつけられるように
「わたし、あぁいう子、好きやなぁ」と、何度も見た。
でも彼と目が合うことは1度もなかった。

サユと話してたら
彼女の後ろでその子とその連れがじゃんけんしているのが見えて
「あぁ、きっと負けたほうが女の子に声をかけるんやろうなぁ」
とおもった。

まさか、わたしたちのほうにくるなんておもってなかった。
だって、彼等のどちらとも1回だって目が合ったことなかったから。

負けたのはわたしのタイプの男の子で
彼が照れながら近づいてきた。
「踊らないの」って。

サユを見たら、(彼女は年下がキライだから)話はするものの、
何となくツーンとしてたから、わたしもどうしようかな、と思ったけどとりあえず
「このクラブ初めてやからなぁ」とだけ言った。

彼は
「お友達になってください」
って言ったとおもう。

わたしは笑って
「いきなりやな、そんなんアリなん」と答えた。
その次に、
「あのね、自分(←彼のこと)ね、わたしの1番最初の彼氏にそっくりやから、びっくりした」
とだけ付け加えてみた。
だって本当にそっくりで、だから目が行ったんやもん。

だけど基本的に「ナンパなんてどうでもいい」とおもってたから
もうどこか行けばいいのに、っておもった。

目で追っていた男の子が話しかけてきたのは凄く嬉しかったけど
サユの手前、
もう離れてくれないかな、とおもったし
どうせわたしたちがダメなら、他の女の子にも声かけるんやろう?
ともおもった。

でも彼は必死で、
「お姉さんたち、相手にしてくれへんから俺は離れるけど、
俺の電話番号だけ、覚えて、俺絶対仲良くなりたい。
電話番号教えるから、良かったらかけて」
と言って本当に離れた。

暗記力だけはやたらと長けてるわたしは
すぐに覚えた。

クラブを出て、それから彼のことしか考えられなくなって
カケで帰ってすぐにかけてみた。

彼はびっくりするくらい嬉しそうに、
「やったー!!なぁ、自分(←わたしのこと指して)、ゼブラのニット着てた子のほうやんな?」と言った。

「うん、何でわかるん?」
と聞いたら
「わかる。俺、自分と仲良くなりたかったもん。教えてからずっと携帯見ててん。かかってくるとおもってなかったし、俺、めっちゃ嬉しいねん!」
と興奮していて可愛いなぁとおもった。

彼はまたわたしに会いたい、と言った。
わたしのことをずっと見てたって言った。
嘘とおもった。
だって目、合ってないし。
だけどクラブの中でわたしが飲んだお酒とか知ってたし、
バーテンと、バーテンがかぶってた帽子について話してたのをちゃんと見てた。

わたしはもう1個カケに出てみた。
明日(既に日は変わってたけど)祝日やから休みなはず。
急に「明日(つまり今日、数時間後)なら遊べるけど会える?」と誘って遊べたらこの子と仲良くなってみよう。
もし「バイトがある」とか「予定がある」と言われたら2度と連絡しないようにしよう。
って。

そしたら
「会えるよ」って即答。
それでわたしたちは始まった。
きっと、「当時のわたしたち」は「合っていた」んだとおもう。
2人でするなにもかもがトントントンと、とても早いスピードでうまく行った。

わたしはその頃
おかしいくらいにマツのことが好きで
どんなに傷ついても離れられなくて
誰を紹介されても
誰に告白されても
マツ以外の誰のことも目に入らなかったのに
彼はスルスルとわたしの中に入り込んできた。
わたしの中は彼でいっぱいになってそれが心地よかった。
 
あの頃なにからなにまで
予定も気分も思考も思想も、あんなにもピッタリ合ってたのに。

最初はそんなもの、って言うかも知れないけど
あんなになにからなにまでピッタリだった子は初めてやったから、
凄く大事にしたいとおもった。

年代も出身も生活も友達も住んでるところも使ってる電車の線も普段遊ぶところ行くところも
なに1つ接点がなくて、
仮に同じ大学だったとしても丁度入れ違いになる年の差だし
彼が学生でわたしは会社員で
お互い普段行かないそのクラブにたまたまその日のその時間に居合わせて
お互い目について気になってなんとか繋がって
そのまま2年半も一緒に居た。

あの時のその出逢いを運命だなんておもったかどうかは内緒だけど
そこで出会わなかったら、絶対に出会うことがなかった2人。
接点がなさ過ぎるもの。

結局ダメになったから、
もうあんなのないとおもうし
もしそんなひととの出逢いがあっても、
結局いつか終わるんやなって、おもう。

終わりの方、何度も相手に対して
「初めの頃を思い出して」
っておもった。
そうしたら元に戻れるとおもった。
だけど初めの頃を思い出すべきだったのはわたしのほうだったのかも知れない。

今更あの頃や彼のことを思い出したって仕方ないけど
わたしの中でとっても綺麗で大事な思い出であり、事実なんです。
なくなったももやけど
大事にしたいっておもう。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索